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ワタシの独断とひとりごと
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2002.11.11 オーディオについて


先日、新聞で『音響メーカーがピンチ・・・』という記事を見ました。
アンプ・プレーヤー・デッキ・・・といった音響メーカーの単品コンポの時代から手軽なミニコンポの時代になって、家電メーカーとの競争が激しくなったためです。
時代の流れ、というものなのでしょうか?

しかし、最近のミニコンポは性能がよくなったとはいえ、単品コンポを組み合わせたステレオシステムは“音の豊かさ”が格段に上です。
小音量でも音がしっかりと聞こえてくるし、大音量でも「うるさい」感じは少しもしません。なにか「余裕」みたいなものを感じさせてくれます。
控えめなイルミネーションも、ミニコンポにはない高級感や落ち着きがあり魅力です。

◆かつてはこんなのが一般に理想でしたよね?◆
サンスイのアンプにトリオ
(ケンウッド)のチューナーにテクニクスのレコードプレーヤー、カセットデッキはナカミチ、スピーカーはダイヤトーン・・・
 
(まぁ、上を見ればきりがありませんが・・・  ちなみにワタシは反主流派・・・?)


確かにミニコンポは手軽でおしゃれで、気軽に音楽を楽しめます。その手軽さがウケているのでしょうが、なんとも淋しい気がします。

こんな背景にはCD
(コンパクトディスク)の登場が大きく影響したように思います。
CD以前のオーディオといえば、レコード盤・FM放送・カセットテープが主なものでした。
みんなそれぞれに手間がかかったものです。
レコードはプレーヤーにかける前に盤面や針先を丹念に掃除したものだし、FMは少しでもいい電波を捕らえるためにアンテナからケーブルまで気を使ったものでした。
カセットは比較的手軽なものの、それなりに手間をかけたものでした。
たとえばテープ選び・・・ 歌謡曲はノーマルテープでもいいや・・・とか、大事な録音だから奮発してメタルテープにしよう・・・とか、いろいろ考えたものでした。
こうした日常的な「手間」が「いい音」へのこだわりを象徴していたのではないでしょうか?

これがCDの登場で一気に変わります。
(ワタシが高校2年生のときでした。)
直径12cmの銀色のディスクにデジタルで音が記録されていて、ほとんど手間をかける必要がなくいい音を楽しめる画期的なものでした。
ワタシが実際にCDを手にして思ったことは、第一に『ありがたみ』がないなぁ・・・ということでした。手軽すぎて、これまで慎重にレコード盤を扱ってきたことからのギャップが大きかったのを今でも覚えています。
手軽で便利なことが悪いとは思いませんが、レコード盤を掃除するときのあの緊張感や、FM放送を録音するときの『車やバイクが通らないでくれ・・・』と祈るドキドキ感
(車が通ると、エンジンからの電気ノイズを拾って雑音が入ってしまうことがある)はそれなりに心地よいものでした。
少しでもいい音を求める『向上心』みたいなものもあったように思います。


レコード盤が見直されてきている面もあるようです。特に若い人の間でレコード盤がブームだという話を聞きました。
その若い人たちは生まれたときにはすでにCDの時代だったはずです。それがなぜレコード盤???・・・
それは、盤に針を落としてから演奏が始まるまでのあのノイズにあるそうなのです。
盤と針との摩擦で少々ノイズが入るところが、『これから何かが始まるぞ』というワクワク感があって、なんともいえないんだそうです。それに、CDにはない何か温かみのある音・・・

これですよね! これ!!
便利・多機能・高性能・・・ といったことからかけ離れた超“アナログ”な部分。

ちょっと不便で、手軽じゃないところがまたいいんです。
オーディオに限らず、見直されるべきだと思います。


こんなことを書いているとどうも年寄りくさい気もしますが、ワタシはまだ37歳です。